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貧脚には、安い中華カーボンがお似合い [日常]

エディーメルクスのフレームにクラックが入ったため、BXTを再び組み上げた。現在、11速のコンポが2組あり、片方がディスクブレーキなので、リムブレーキ仕様は1組のみだ。エディーメルクスが健在なら、BXTはお払い箱で、ブルホーンハンドルに7Sシステムを組み込んで通勤用にしていた。しかし、エディーメルクスのトラブルで、現役復帰というわけだ。
現役を引退する直前、リンリンロードで平均速度28km/hという驚異的な数値をたたき出していた。これは巡航速度33~34km/hを80km維持するという事であり、私の脚力からすると、信じがたい好数値であった。しかし、こういうものはその日の体調も大きく影響する事から、たまたまその日が調子が良かったのかとも思っていた。そこで、BXTが現役復帰したことでもあるので、再度リンリンロードにチャレンジしてみた。正確に言うと、様子を見ようと思っただけで、80kmの全力走行は予定していなかった。果たしてBXTが本当にそんなに速いのか、確認しようというつもりだった。天気予報では、今日は風が穏やかという事だったか、帰路はかなりの強風になり、かなりしんどい事になった。しかし、今回も驚くべき記録となった。追い風の往路がアベレージ28.8km/h、向かい風の帰路が27.2km/hで、全行程でアベレージ27.8km/hという記録だった。向かい風で27.2km/hのアベレージで40km走るのは、私の貧脚では信じがたい。しかし、前回と異なり、今回はなぜこんなアベレージを維持できたのか、なんとなく理解できた。
1.乗り心地は抜群: フレームがふにゃふにゃなので、乗り心地は信じがたいほどソフトだ。レースに出るような人では、路面の感覚がつかめないとか言いそうなほどソフトだが、私にとっては大歓迎だ。おかげで、リラックスして漕げるので、疲れにくい。もちろん、中華カーボンエアロハンドルバーもかなり貢献している。
2.フレームの柔軟性が利用できている感がある: BXTは、BB周りが特に柔らかく、ダンシングするとFDにチェーンが当たるほど大きくフレームがゆがむ。折れて落ちるのではないかと不安になると同時に、力が逃げまくりという印象だが、引き足に注意をして、9時から2時くらいまでをスムーズに漕ぐようにすると、向かい風の中でもスーっと加速する。もちろん、追い風なら35km/hをすーっと超えていく。どうやら、BB周りの変形がうまく利用できている感触がある。
このへんのコツをうまくつかむと、抜群の乗り心地と速度の維持が同時に可能になるようだ。私のFTPは200Wに満たないので、効率が重要である。Defyやエディーメルクスでは、この高効率は実現できていない。特にDefyはBBまわりの剛性が高いので乗り心地が悪く、かといって速くも無い。がんばってもトータルのアベレージは26km/h程度がせいぜいである。BXT、意外にも私には非常に良く合っているようだ。もう一本、買っておこうかとさえ思ってしまう。

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サドル沼が深い [日常]

ロードバイクに乗ると、多くの人がサドル沼にはまるようだ。特に、中途半端に経済力に余裕があると深くなりそうだ。すごく経済力があれば、最初から良いサドルにたどり着く可能性もあるが、中途半端な経済力だと、サドルに2万円も3万円も出す気にはなれず、結果安物のサドルを沢山購入するはめになるように思う。本当に余分なお金が無ければ、お尻が痛くても我慢して乗り続けるしか無い。それはそれで一つの選択であり、仕方がない。しかしちょっと余裕があると、ロードバイクを楽しみたいので、どうしてもサドルに中途半端な投資を続けることになる。
問題が奥深いのは、実は自分が変化してしまうからだ。これは実感としてわかる。乗り始めた当初は、お尻を丸くくるんでくれるサドルが痛みが出にくく、そういったサドルを選んでいた。この解に至るにも、それなりの投資を行ったものだ。これで到達した結論はもう変わらないのだと思っていたのだが、1万円以上もしたサドルが2年ほど使い続けるうちに段々合わなくなってきた。それは、お尻の筋肉が変わってきたからだ。自転車に乗り続けるうちに、徐々に筋肉がついてきた。丸くお尻を包むサドルでは、筋肉に干渉して痛くなるのだ。そこで今度は骨を支えてくれるサドルを探すことになる。しかし、お尻を丸く支えてくれるサドルの良さが忘れられないため、極端な形状変化を嫌い、少しずつ変えていくことになった。そのため、少しづつ形の違うサドルを購入し続け、ますます深い沼にはまるのだ。で、今回たどり着いたのが、なんと、1800円のロックブロスのサドルだ。おそらくどこかの有名サドルのコピー品と思われる、たぶん中国製のサドルだ。これはほとんどお尻を包まない構造で、そのためお尻の筋肉に干渉しにくい。その分恥骨付近に負担がかかるわけだが、その辺の形状が微妙に力が分散されるようになっていて、乗り心地が良いのだ。何より、お値段が1800円というのがうれしい。思わず2個目も買ってしまった。

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ロックブロスのサドル

この形状が今のお尻に合うという事がわかったので、少しは業界に貢献しようと、まともなサドルも買ってみた。とはいえ、高額なサドルを買うほど経済力は無いので、Merlinサイクルの安売りのAstuteのStarlineをクリックした。おそらくこの形状が合うはずだ。価格は6100円だ。このままだと、送料を払わなければならないので、アルテグラのローターも購入して1万円以上にしたが。それがようやく本日到着した。やはり、安物のサドルとは違う。作りがきれいでしっかりしているし、何か所もMade in Italyとあり、中国製では無いことを主張している。さっそく装着して、軽くまたがってみたが、ロックブロスのサドルよりもほんの少しだけ乗り心地が良さそうだ。実際の使用感は100km以上乗ってみないとわからないので、後日の報告としたい。6000円程度なら、本物に投資しても良いと思う。しかし、このサドル、アマゾンで買うと18000円くらいする(3倍)。そこまで出すかというと、それならロックブロスで我慢するという感じだ。1800円のサドルでも、120km程度のロングライドでは、全くお尻の痛みは無い。

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Starline、やっぱり作りが良い
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暖かな日曜日の午後、駅前の公園にはゾンビがぞろぞろ [日常]

日曜日の午後、短くしすぎた9Sチェーンを一コマ継ぎ足すという神業を成し遂げた満足感を携えて、通勤用自転車で駅前のスーパーにお出かけした。駅前は賑わっていた。駅前には公園があり、多くの人たちが暖かな午後の日だまりでのんびりとくつろぐ姿が.........
ん?いや、ただくつろいでいるのとは少し違う。多くの人たちが、片手にスマホを持ち、立ち止まってじっと見入っている。スマホから目を離さずにそのままフラフラと歩く。そして立ち止まる。またフラフラと。相変わらず視線はスマホから離さない。自転車が迫ろうが、子供が転ぼうが、どこ吹く風だ。これはどこかで見た光景だ。多くの人たちが、視線の定まらない様子で無秩序にフラフラと歩く。そう、ゾンビだ。もちろん、本物のゾンビは見たことが無い。映画のワンシーンだから、本物のゾンビが(居たとして)そんな風に歩くのかどうか知らないのだが、彼らはまさに映画に出てくるゾンビだった。
ゾンビの様な人たちは何をしているのか、そう、おそらくポケモンGOだ。駅前の公園は、ポケモンGOにとって、特別なスポットになっているのは有名だ。他にも似たようなゾンビが出没するスポットがいくつかある。車で乗り付けるゾンビも居る。彼らは車からあまり出ないので、排気ガスで周辺を汚染するという点を除けばまだましだ。怖いのは夜、遊歩道の街路樹の陰に数人が集まって、しかしお互いに干渉する事無く、各自スマホをじっと見ていたりする事だ。スマホのバックライトが顔を青白く照らす。なぜか、みんな無表情だ。笑顔は無い。(まあ、笑顔も怖いが)しかも、やはりぞもぞと動く。そんな集団を目撃すると、ぞわっと背筋に寒い物が走る。もしポケモンGOの存在を知らなければ、警察に一報したくなる光景だ。いや、本当はポケモンGOでは無いのかも知れない。もっと別の得体の知れない何かに熱中しているのかも知れないし、何かの犯罪に関係しているのかも知れない。どこぞの怪しげな国のエージェントなのかも知れない。真実を知るには彼らのスマホをのぞいてみるしか無いのかも。そこに一体何が映っているのか、私には怖くてできないが。

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エディーメルクス ムーラン69(2017)のシートチューブにクラック [日常]

Merlinで購入したエディーメルクスのムーラン69(2017)だが、最近シートチューブにクラックが入っている事に気がつき、現在使用中止中である。そもそも、このフレーム、シートクランプがちょっといい加減で、締め付けるネジの緩み止めがシートクランプの動きを妨げ、まともに機能していなかったという側面を持つ。最初の組み上げの際に、分解して注油すれば良かったのだが、早く乗りたくでそのプロセスを省略したのがまずかった。結局、乗り始めてからシートクランプがまともに機能したことが無く、最初の数kmの間にシートポストが最後まで落ちてしまう状態が続いていた。このクランプは締め付けトルクの指示も無く、5N・mくらいを目安に締めていたのだが、今ではそれが正しいのかどうかさえわからない。さて、シートポストは最後まで落ちてしまうのだが、何しろ短足の私ではそれでも適正値から5mm程度しか低くないので、問題無く乗れていたのだ。しかし、どうやってもシートポストが落ちるので、詳細に調べていて、クラックが入っている事にようやく気がついた。で、思い出してみると、数回前のライドで、路面のギャップを超えた際に派手な音がした事があった。何事かと戻って路面を確認したが特に大きなギャップでも無く、なぜ大きな音がしたのか不明だったのだが、おそらくあのとき、クラックが入ったのだろう。さて、こういう時、フレームの保証云々が気になるところだが、だいたいこういうトラブルの対応は期待できない。ユーザーがシートチューブにバールをねじ込んで割ったのでは無いという事を証明する事は困難で、よほどユーザーフレンドリーなメーカーでない限り、保証してくれないと思われる。そもそも、エディーメルクスは今年で終了の予定だったブランドで、すでに身売りが決まっている。そんな状況だから、海外通販で安売りをしていたのであろうし、それを購入するという事は、すべて自己責任で対処する事が前提である。だいたい、フレームが割れた事に対する対処は修理以外に考えられず、最大でもMerlinに送り返して修理してもらう事になるだろうが、そもそもフレームを送るだけでも大変な作業で、それを修理して戻ってくるまでに2-3ヶ月はかかりそうだ。

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クラック部分の写真。見にくいが、縦筋がわずかに見える部分がクラック。クランプを締めると広がってくる。

というわけで、できるだけ自分で修理して、修理できたらまた乗ろうかという感じだったのだが、なぜ割れたのか、よくよく見てみると、これは欠陥フレームでは無いかと思えてきた。通常、シートポストのクランプは、シートポスト全体を締め上げて固定する。異形のポストであっても、同様であり、その工夫はいろいろだ。しかし、このクランプ、一面から、反対側に押しつけるだけのクランプであり、その意味で固定力が弱い。だから落ちるのだが、これを落ちないように締め上げると、何が起きるかというと、クランプの反対側に強い応力が発生する。通常、その部分はシートチューブのエッジにかからない様に設計されている。エッジ部分は弱いからだ。しかし、このクランプでは、シートチューブのエッジ部分に大きな応力がかかるような構造になっている。したがって、ポストが落ちないように強く締めれば、かなりの確率でシートチューブが割れるはずである。これを防ぐには、シートチューブのエッジ部分をかなり分厚く作り、大きな応力に耐えられるように作るしか無いが、割れた部分を見ると、かなり薄く作られており、ああ、これは割れるねえという印象だ。つまり、割れるべくして割れたと思われる。

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シートクランプの部分。この構造が購入前にはわからなかった。これを知っていれば、買わなかったかも。

以上の解析は、まあ独りよがりの考えかと思っていたのだが、Merlinのサイトでまだ販売されているムーラン69(Diskブレーキモデル)の完成車の写真を見て、ビックラこいた。なんと、私のクラックと同じ部分が割れているのだ。こちらはフレームの販売では無く完成車なので、乗れるように組み上げてある。シートポストも組み付けて、クランプも締め上げたのだろう。おそらくその途中で割れたのでは無いだろうか。割れれば音で気がつきそうなものだが、気づかず、商品の写真として掲載してしまったのだろう。つまり、このフレームは、Merlinのお抱え作業員が組み上げても割れてしまう、欠陥商品なのでは無いかと思われるのだ。

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Merlinサイクルで現在販売中の完成車の写真。なぜか、わざわざ割れた部分を載せている。私のクラックと同じ部分だ。まあ、こちらの方が派手だが。
https://www.merlincycles.com/eddy-merckx-mourenx-69-105-disc-road-bike-104189.html


同じフレームを買った人は、ご愁傷様である。今はなんとか割れずに組み上げられても、いずれ乗っている最中にバキッと割れそうな構造である。

2021.9.24 追記
二年ほど放っておいたが、ようやく修理してみた。詳細は最新のページに記すが、どうもプレプレグの貼り方が悪かったような感じだ。塗装を削ってファイバーの模様が出てきたら、ちょうどクラックの場所に繊維の方向の違う部分が来ていた。一番力のかかる部分に境目が来るように貼るとは、設計が悪いのか、製造が悪いのか。困ったものである。


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