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ハリオの金属フィルターでブラジルのコーヒーの評価が変わった [日常]

自分で焙煎するなら、まずは焙煎しやすいブラジルで練習するのが良いと書いている人が多いので、素直にブラジルNo.2で試してみたが、何度焙煎しても少しもおいしくなく、自家焙煎は難しいと感じた。やや高級なブラジルの豆も試したが、結果は同様だった。一方、エチオピアのイルガチェフェやエクアドルのアンデスマウンテンなどは、最初から独特の香りや酸味を楽しめた。こりゃあ、実はブラジルの豆の焙煎はすごく難しいか、実は全然おいしくないんじゃないかと結論を出しそうになった。
一方で、いくら高級な豆を使っても、スタバで飲むコーヒーのようなおいしさに出会えなかったのも事実だ。しかも、調べたらスタバでは焙煎後かなり時間の経った豆を使っているらしい事もわかった。古い豆でもおいしいコーヒーが淹れられるということになる。自家焙煎の新鮮な豆ならおいしいはずという論理がそもそも崩れてしまった。こうなると、抽出が重要なのではないかと考えに至る。事実、エチオピアの豆など、焙煎後しばらくすると、あふれかえるほどの甘い香りが豆から漂い、部屋中良い香りになるのだが、実際にコーヒーを淹れると、そのコーヒーはそれほどいい香りではない。いい香りはどこかに出て行ってしまっている感じだ。
我が家では、基本ペーパーフィルターを使用している。気が付けばかなり長いことペーパーフィルターである。ほかの選択肢を考えたことも無い。しかし、コーヒーのいい香りといえば、エスプレッソだ。さて何が違うのかといろいろ調べ、考察した結果、どうもペーパーフィルターが怪しいという結論になった。
思えば40年以上も前、コーヒーを飲み始めたころは、ペーパーフィルターでは無かった。サイフォンやコーヒーメーカーを使っていたが、ろ過は布やナイロンメッシュで、紙ではなかった。その後、メリタなどのペーパードリップが出回り、使い始めたころ、ずいぶん紙がくさいと感じたことを覚えている。今では全く気にしなくなったが、ペーパーフィルターは片付けは楽だが、あまりおいしいと思ったことが無い。で、エスプレッソマシンが急に欲しくなったのだが、本格的な物は高価だしそのうえ面倒そうだし、安価なものは使いにくそうだし、と悩んでいるうちに、とりあえず金属フィルターでも買ってみるかと安易な方向に流れた。
近くのニトリに出かけ、ハリオの金属フィルターのドリッパーを買ってきた。早速、自家焙煎のマンデリンを淹れてみて、驚いた。超うまい!思えば、40年前、お気に入りの豆はマンデリンだった。その後、何度かマンデリンを試したが、いつも期待した味や香りではなく、がっかりしたことを思い出した。そして今、あの懐かしいおいしいマンデリンがここにある。違いはろ過だ。私がマンデリンを好きだったころは、もっぱらナイロンフィルターのコーヒーメーカーで淹れていた。その後のおいしくないマンデリンは、喫茶店も含めておそらくペーパーフィルターだ。そして、最近買った高級マンデリンも、手鍋焙煎はうまくいったと思ったのだが、ペーパーフィルターで淹れたものは苦いだけで、全然おいしくなかった。それがどうだ、金属フィルターで淹れたこのマンデリンは超うまい!マンデリンのうまみは、全部紙に持っていかれていたのだと思われる。で、ついでにブラジルも金属フィルターで淹れてみた。まあ、マンデリンほどではないが、これもうまい。ただの苦いお湯ではなく、ちゃんとコーヒーのうまみを感じる。まあ、ブラジルも悪くない。じゃあ、エチオピアは?と試したら、やたら酸っぱい!ああ、そういえばモカは酸っぱかったなあと、これまた昔を思い出した。そして、この酸味が嫌いだったのだ。ペーパーフィルターでは、酸味は通るはずなのだが、あれ?いずれにしても、金属フィルターとペーパーフィルターではずいぶん味や香りが違う。
基本的には、砕いた豆にお湯を作用させ、成分を溶かし出しているだけのはずなのだが、この単純な工程に何か影響を与えるとしたら、確かに紙は怪しい存在だ。セルロースは、かなりしっかりした繊維なので、セルロースの成分が溶け出す事はないと思うし、確か表面には親水基が並んでいるはずで、コーヒーの油分をそれほど吸着するとも思えない。しかし、確かに無漂白のフィルターは茶色で、その色のもとはセルロースではないことになる。その色のもとが怪しいか。漂白したフィルターは、着色成分を分解除去してあるのだろうが、さて純粋なセルロースになっているのかどうか。

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コーヒーの手鍋焙煎の限界 [日常]

いろいろ調べた結果、焙煎には好ましい昇温速度があるという事がわかった。これは本来焙煎のプロが各自あみ出す熟練技なのだろうが、ブログ等で公開している人もいる。基本的には、最近は8-9分程度で1ハゼが来る程度の昇温速度が望ましいと思われる。この程度の昇温であれば、豆の脱水が十分に行われ、かつ高温処理による香り成分の抜けが抑えられるということのようだ。もっと早く焙煎すれば、より香り高くなるが、脱水が不十分となり、加水分解による不快な成分が増える。もっと遅くすれば反応前の脱水がより完全となり、不快な成分が減るが、揮発性の香りも抜けていく。そのため、豆の持つ独特の香り成分を重要視する最近の高級豆では、以前よりもやや早めに焙煎する様になっているらしく、その結果が8分程度で1ハゼ、トータル12-13分程度で終了という事のようだ。
通常、プロが使う焙煎機では、豆の周囲の雰囲気の温度を測定し適正に調整する事が可能である事が多い。この場合は、豆の温度と周囲の温度の温度差に依存して豆の温度が上がるので、かなり精密に昇温速度をコントロールできる。だから、適正焙煎のプログラムを構成することが可能になるが、手鍋焙煎ではそうはいかない。例えば、昇温を早めようとする場合、単純には火力を上げる訳だが、それで温度が上がるのは鍋底の温度である。鍋底の温度とそこに触れている豆の温度差により、豆に熱が拡散し、その豆の温度が上がるが、接触面積は小さいので、局所的にしか温度が上がらない。鍋を振る事により、鍋底に触れる豆を変更したり、豆の接触面を変更したりできるが、基本的に熱拡散による加熱のため、効率が良くない。そのため、豆の温度を上げる能力には自ずと限界がある。その限界を超えてさらに昇温させようとすると、豆が焦げるという結果になる。一方、温風で加熱するなら、温風の温度を一定としていても、風量を変更すれば、ある程度昇温を制御できる。温風の温度以上には豆の温度は上がらないので、豆が焦げることが無い。手鍋で豆を焦がさずに焙煎するには、その手鍋で焙煎する豆の量を適正にしなければならない。与える温度差には限界があり、その温度差で得られる昇温速度は、豆の量に逆比例するためだ。
つづく(のか?)

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