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聞いてないよ [腹の立つこと]

一度どこかで書いたかも知れないが

私は「ド」の付く近眼である。しかも、かなり子供の頃からであり、学校の視力検査で目を細めてはいけないと言われてからは、視力表の目の前で「上」とか「下」とか言っていた。これも毎年行われる楽しい行事であり、視力の悪さを自慢していたほどである。
ある眼科医によれば、現代人の生活は近い物を見る機会がほとんどで、本来遠くを見る必要性があまり無い。従って、近視というのは決して悪い状態ではない。必要に応じて矯正すれば、近視である事の方がむしろ好ましいくらいらしい。
こういった経験や意見で、私の近視を気に病むことはほとんど無かったのだが、ある時突然引導を渡された。
中性子を使った実験を行うと申告すると、健康診断に眼底検査が付いてくるようになる。実際には中性子の実験など滅多にやらないので、検査の必要は無いのだが、いろいろな都合で登録をしていた時期がある。その期間は毎年眼底検査を受けることになった。そこで、はじめて大学病院の眼科医に脅された。「かなり網膜がやばい状態なので、過激な運動は避けて下さい」 びびったが、仕方がない、それ以来外国でスキーをやるのをやめた。しかし、その時はまだ近視との関係は聞かされていなかった。
驚くべき話を聞いたのは、それからさらに数年経ってからの事である。定期検診の医者に脅された時、最低でも年に一回は眼底検査をうけて、経過を観察して下さいと言われたので、中性子実験の登録をはずした後数年経って、気になって近くの眼科医に眼底検査を依頼した。その眼科医が言うには、「近視が進行したために、網膜がはがれかかっている」のだという。えー、聞いてないよ、という感じである。
近視は近視で、失明とは無縁だと思っていたのだが、どうも近視が進行すると網膜が引きつって、はがれやすくなり、しまいには失明に至る危険性があるということだった。そうと知っていれば、近視を自慢するなどという馬鹿な事はせずに、近視が進行しないように自分で努力をしたものを...今頃になって言われても、後の祭りである。

似たような事は「歯」にもある。私は目も悪いが、歯も悪い。子供の頃から歯医者にはずいぶん貢いだが、昔の歯医者はすぐに神経を抜きたがった。神経を抜けば、もう痛くならないという。馬鹿な私の親は良いように言いくるめられて、私の歯の神経を抜きまくった。神経を抜けばどうなるのかと言うことは考えなかったのだろう。答えは簡単だ。歯が死ぬのである。
歯は、歯茎に刺さっている石ではない。ちゃんと生きており、必要に応じて再生も行う。しかし、神経を抜いてしまうと、その歯は死んでしまい、要するに人体にとって異物となるのだ。私の勘定では、神経を抜いて、約20年でその歯は使い物にならなくなる。私の場合、どれも根の奥が炎症を起こして、抜歯を余儀なくされた。放置すればあごの骨の神経組織にダメージを与えて、大手術になる。
歯の移植を提案してくれた口腔外科医も居たが、結局うまく行かなかった。私の歯は少しずつ少なくなり、そのうち総入れ歯になるのかと覚悟していた。だから、多少痛みがあっても今ある歯を何とか使って、少しでも長持ちさせようと思っていた。しかし、先日、とうとうぼろぼろになった奥歯を歯科医に見つけられてしまい、抜くしかないと宣告された。これでとうとう奥歯がほとんど無くなってしまうのかと悲しくなったのだが、その歯科医は淡々と「インプラントでも入れますかね。」と言い出した。
抜歯した後にインプラントを入れれば、歯が復活するなんて、聞いてないよー。これはうれしい誤算だった。そんな手があると知っていれば、こんなに我慢せずにさっさと医者に行ったものを。というわけで、先日インプラントの手術を受けた。ところが、実際に歯が入るのは半年後だという。それまでは、やっぱり歯抜けのじいさんだ。しかも、長いことぼろぼろの歯を入れたままにしていたため、あごの骨にかなりのダメージが入ってしまい、その再生にも時間がかかりそうな気配である。

とまあ、これまでいくつか聞いてないよーと言いたくなる話があった。我々は素人だから、単に医学の進歩なのかも知れない。しかし、私から見れば、医者はいい加減だということになる。母乳を毛嫌いして人工乳を推薦してみたり、母乳のすばらしさを再度訴えたり、いい加減きわまりない。少しまじめに考えて物を言えと言いたい。被害はいつも患者がかぶるのだ。


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