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で、結局生豆を洗うのか洗わないのかという話 [日常]

最近ブログの更新がおろそかになっているが、まさにブログなんて書いている時代じゃなくなったんだなあと思う。
で、久しぶりに何を書くのかと言うと、コーヒー焙煎で生豆を洗うのかという話。これもネットを検索すると、「洗うべき派」と「洗っても変わらない派」、いや「洗うべきじゃない派」のそれぞれが存在する。まあ、洗っても変わらないという人は、かなりの鈍感だと思うので、選択肢から外す。で、結局どっちなのよという話だ。
洗う派は、日本の衛生基準からすれば、かなり汚いところで処理されているので、まずはキレイに洗うべきという。ごもっともな意見だ。洗わない派は、どうせ200℃以上の高温で焙煎し、チャフもはがれて除去されるので、別に汚くないし、洗うと水溶性の成分が溶け出して風味が薄れてしまうという。まあ、これもごもっともだ。
じゃあ、ってんで実際にやってみると、事はそう単純じゃない。洗うと、汚い水が出てきて、キレイになった感があるが、同時に水分を吸ってしまい、重量が10%ほど増える。この豆を焙煎すると、洗っていない豆と焙煎の条件が全く違ってしまう。もともと13%程度の水分量の豆が10%も水を吸ったので、水分量は2倍近くになり、水を飛ばすのに時間がかかるため、焙煎時間がかなり長くなる。水蒸気が熱をうまく伝えるため、豆の温度が均一に上がりやすくなる。メイラード反応でも水分量が多くなり、香ばしさが増す。一方で、最終段階の味の形成がどうもうまく行かない感じで、同じ温度、ハゼの具合でもちょっと浅めの煎り具合になるように思われる。という具合で、洗ってきれいになって良かったねでは終わらない話だ。コーヒーの味の好みは人それぞれなので、水で洗うなどという大幅な条件変更を行えば、当然好きだった風味が嫌いなものに変わったり、逆に嫌いな風味が好きなものに変わったりする。というわけで、いろいろな意見が出るのもある意味当然の話だ。
で、何度か洗って焙煎した結果、やはり豆の付着物は洗って除去したほうが、雑味が減るように感じる。しかし、上述の通り、ほかのファクターが変わりまくりなので、本当のところが良くわからない。というわけで、この問題をどうにかするには、洗った豆を再度いい具合に乾燥させて、水分量を初期値に近づけてから焙煎したい。ところが、洗った豆を乾燥させるのは結構面倒くさい。濡れた状態で時間をおくと、逆に水が豆の奥に浸透し、豆全体の水分量が変わってしまう。したがって、豆は素早く水で洗って汚れを取り、その後速やかに付着した水を除去したいのだ。以前は、キッチンタオルでフキフキしたこともあるが、実際にやってみると気が遠くなる作業だ。もっと手軽に乾かしたい。そう、脱水機のようにと思って、ハタと気が付いた。そうだサラダスピナーだ。あの、野菜をザルに入れてぐるぐる回して水を切る便利グッズだ。ネットで検索すると、ニトリの製品がよろしいらしい。というわけで、早速ニトリに行き、安い800円くらいのサラダスピナーを買ってきた。店頭で展示品を触った感触では、いい感じで回るので、これなら豆の水分をあっという間に吹き飛ばせそうだ。
で、買ってきたサラダスピナーを開けて回したところ、回らない。あれ?よく見ると、回転するうちブタの中心部分の穴が中心からずれており、偏心している。そのため、回転するふたが枠に当たって止まってしまうのだ。
さて困った。買うまではわくわくしていたので、気にならなかったが、ニトリはそんなに近くない。例えばタクシーで買いに行ったら、商品よりもタクシー代の方が圧倒的に高くなる距離だ。自転車で行けば良いのだが、結構かさ張る商品なので、持って帰ってくるだけでかなり苦労したのに、もう一度持って行って交換してもらってまた持って帰るというのも面倒極まりない。通販の商品なら返品・交換が面倒なので、自分で修理を試みると思う。なまじ、近くに実店舗があるゆえに、直接交換依頼に行ける代わり、その手間を負担するのがちょっとばかばかしくなるのだ。これが、20万円くらいの商品なら、迷わず行く。100均の商品なら、自分で修理し、だめなら捨てる。800円という価格が微妙な線なのだ。捨てるのは惜しいのだが、しょせん中国製の品質。穴は真ん中には開かないのだ。交換してもらっても、それもだめかも知れない。(今度は確認してから帰るが)
世の中も面倒になったが、私自身もかなり面倒な人間になったと自覚する今日この頃だ。というわけで、サラダスピナーで水を切った豆の焙煎結果はまた後ほど。

ああ、やっぱりブログはつまらない。いや、つまらないブログはつまらないが正しいか。

2023/09/30 追記
仕方がないので、息子の自転車でニトリまで行ってきた。で、想定外の状況になった。受付の店員は要領を得ない感じだったが、意外にまじめな人で、交換用に展示商品の中から2つ箱を開けて持ってきて、どちらか選んでほしいという。で、回してみると、あらあら不思議、どちらもまともに回らない。ということで、まともに回らないのはどうやら仕様のようだ。こんなに不具合があるのに、不思議なことに、どうも私意外に苦情を言ってきた人はいなかったようで、半ばクレーマー扱いだった。結局交換してもらっても大きな変化はなさそうだったので、元の商品を持ち帰った。(これでクレーマーの疑いは晴れたと思うが、頭のおかしなじじいと思われたことだろう。)
で、分解してみると、どうもふたの穴が中心からずれているとかいうかわいい話ではないことが分かった。確かに穴はずれているのだが、穴あけでずれているのではなく、樹脂の型がそもそもずれているのだ。ハンドルにつながっているギアとふたについているギアが噛み合って回るのだが、そのどちらもが偏心しており、特にハンドル側の偏心は1㎜以上ある。で、隙間が狭くなったところで二つのギアが噛みこんで回らなくなるのだ。もちろん樹脂製なのでぐりぐり回せば回るのだが、ビュンビュン回すとどこかが削れて粉が発生するし、ハンドルのギアがふたのギアを軸方向に押し出してしまうため、ふたのポリプロピレンのやわな主軸がそのうち折れそうな感じだ。
問題は樹脂の粉で、わずかでもコーヒー豆に混入すると、焙煎で超臭いコーヒーになってしまうので、かなり完璧に修理する必要がある。カッターでギアの歯を少し削ったらましになったが、まだ足りない。もう少しまじめにギアの偏心を解消しないといけないようだ。
というわけで、サラダスピナーの効果の報告はまた先の話になった。

再追記
サラダスピナーを何とか修理した。思いのほか偏心が大きく、ギアの溝をカッターで削るなどの作業が結構大変だったが、まあまあスムーズに回るようになった。で、早速コーヒー豆を洗ってみた。先日インドの豆を洗ったら、かなりの数の豆が水に浮いてしまい、未熟豆が多いことが分かった。インドの豆は決しておいしくはないので、まあ当然だろう。で、今日はブラジルショコラを洗ってみたが、なんと今回もかなりの数の豆が水に浮いた。拾い上げるとどれもよく似た色や形であることから、ソースが同じ様だ。このショコラは決して安いわけではないので、こんなに未熟豆が混じっているのはちょっとイラっとする。ほかのまともな豆には水に浮く豆は含まれていない。そういう意味では、水洗いの効果は大きいかも知れない。で、すすいだ後、サラダスピナーに入れて勢いよく回すと、いい感じ。2回回して取り出してみると、ほぼ完ぺきに水が切れていた。これは具合が良い。これをザルにでも広げて乾かせばすぐに乾きそうな感じだ。今回は面倒なので、そのまま焙煎したが、水洗いするなら、サラダスピナーは必需品だ。まあ、使う道具が増えると、後片付けも面倒になるのだが。で、焙煎してみると、やはり水を吸ってしまっていて、焙煎に時間がかかった。しかし、水でびしょびしょのままよりも、豆の乾燥が早く、いい感じに焼けたと認識している。
豆に水が染み込む前にサラダスピナーで水を切り、すぐに乾燥すれば、いい感じに仕上がりそうな手ごたえを感じた。手鍋焙煎では、最後までチャフが鍋に残り、深煎りするとそのチャフが焦げるので、水洗いはこのチャフ由来の雑味を防ぐには有効だと思われる。ちゃんとした焙煎機を使っている場合には、この効果はあまりないかも知れない。

2023/10/02 追記
Cityで焼いて、1日後に飲んで感動した。今までブラジルの豆は各種25㎏くらい焼いており、おいしいのもいくつかあったが、大体が超まずいか普通にまずかった。焙煎がおそまつだったためだ。今回の焙煎はその中で別格で最もうまかった。喫茶店で出しても良いレベルだと思う。手鍋焙煎では、水洗いは「あり」というのが結論だ。
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