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スマトラ式のアーシーな香りとは [日常]

サラダスピナーの導入で、生豆の水洗い後に効率的に水分を除去できるようになったので、今週は一気に4種類の豆を焙煎してみた。最近ではウォッシュトの豆をよく買うので、水洗いしてもそれほどチャフが出てこないが、ブラジルの豆などナチュラルの豆だとやはり大量にチャフが出てくる。チャフを取り除くのが目的なら、チャフが多く出てくる豆ほど水洗いの効果が大きいのだが、実際にはそうではない。今回、久しぶりにマンデリンG1も焼いてみた。スマトラ式の精製の豆は独特の深緑の色が特徴だが、実は水洗いすると、どの豆も似たような色になる。通常の精製法の豆がベージュ色などに見えているのは、チャフの色なのだろうと思われる。洗ってチャフがほぼ除去されると、緑色が出てくる。ではスマトラ式はなぜ最初から緑色なのかと調べたら、どうも完全に乾燥する前に脱穀しているためらしく、どうもこの段階でチャフが取れてしまっているのではないかと思われる。実際、マンデリンの豆は洗ってもほとんどチャフが出てこない。洗った水もそれほど汚くないので、水洗いの効果はあまりないのかと思ったが、実際には一番大きな効果があったのがマンデリンだった。
今回焙煎したのは、ブラジル・モンテアレグレ、コロンビア・アレグリア、タンザニア・キゴマ、マンデリンG1の4種類だ。ブラジルはおそらくナチュラル、コロンビアとタンザニアはウォッシュト、マンデリンはスマトラ式だ。それぞれ、Full City、City、High、Cityで焙煎した。どれも、水洗い無しよりもコーヒーらしい甘い香りが引き立って、余計な香りはほぼ無くなり、心地よい風味となった。焙煎直後に飲んでも十分おいしい。もちろん、風味のピークは1週間後くらいになる。特に最も大きく異なったのが、マンデリンで、特徴と言われる土臭いアーシーな香りがほとんどなくなった。今回の豆は水洗い無しでは渋みが残るほどワイルドな感じだったが、水洗い後はかなり上品な風味になった。まあ、マンデリンらしくないと言えばそうなる。
さて、マンデリンがアーシーな風味だというのはよく知られており、通常の焙煎装置で焙煎してもそう言われている。先の投稿で、水洗いするのはチャフが焙煎時に残ってしまう手鍋焙煎だから必要だと書いたが、それは通常の焙煎機では途中でチャフが排出され、最後に残らないというのが理由だ。しかし、マンデリンではそもそもチャフが精製時に除去されているため、精製時の不純物は豆の表面に直接付着していると思われる。その場合、通常の焙煎機でも不純物が排出されず、焙煎後の豆に残ることになる。おそらく、これがマンデリンの特徴となる風味の原因なのではないだろうか。これを水洗いで除去してしまえば、マンデリンらしいアーシーな香りは無くなってしまう。水洗い時は決して汚れた水はそれほど出てこないのだが、あのアーシーな香りのもとは流れてしまったということだろう。
こうなってくると、最近嫌いになったエチオピアの豆を水洗いをして焼いてみたい。あのウっと来るにおいも、基本的にチャフに付着しているはずなので、洗ってしまえばかなり除去できて、本来のおいしい風味だけが残りそうだ。まあ、タンザニアが十分おいしいので無理に高い豆を買うのもどうかとは思うのだが。

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