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ハイブリッド、すごい [日常]

エンジンで動く車は、重たいエンジンを重たいボディーに乗せて、もくもくと煙を吐きながら走るという、なかなか古臭いシステムで、さすがにもう現代に合わないなあと思う。だからガソリンエンジン車を、シンプルなシステムの電気自動車に換えようという動きは間違っていないと思う。
しかし、熱効率を比較したサイトがあり、その試算によると、火力発電所の電力を使うのであれば、電気自動車もハイブリッド車も大体同じ燃費(効率)となるらしい。ただし、発電所の発電効率だけでなく、送電ロス、充電のロスなども含まれている、かなりリアルな数値での比較だ。発電所の効率は当然最適化されているはずで、容易に改善するのは難しいほどに高い効率で発電しているはずだ。それに対して自動車エンジンの効率は、運転状況が変化するため出力の最大効率を維持するのは困難で、通常のエンジンだけでは10km/L程度走れば良好なイメージがある。これをハイブリッド化することにより、ロスを減らし、その結果約3倍程度の距離を走行可能になる。で、それは火力発電所で発電して使う電気の効率と大きく違わないというのだから、素晴らしいとしか言いようがない。
実はこの記事を書き始めた動機は、ハイパワー化する最近の電気自動車やハイブリッドに、もっと省エネの方向に振るべきだろうと、ロードバイクの燃費と比較して議論しようと思ったことなのだが、なんとロードバイクの燃費を計算したら、ハイブリッド車の高々10倍程度となって、あれ、そんなもん?とびっくりしたのだ。もちろん、ハイブリッド車の燃料はガソリンで、ロードバイクの燃料は食事だ。同じカロリーで走れる距離を比較すると、ロードバイクはざっくり10倍程度になるのだ。ロードバイクは車重が10㎏以下で、体重と合わせても100㎏未満だ。ハイブリッド車は1000㎏程度あるだろうから、だいたい10倍くらい重い。しかも、速度もロードバイクの30km/h程度でなく、60km/h程度は出すので、空気抵抗もずっと大きくなる。こう考えると、ロードバイクの1/10程度の効率で走るハイブリッド車は、相当すごいという事がわかる。
さて、元の動機の話に戻すと、電気自動車とハイブリッドがだいたい同じ燃費だという事から、今のハイブリッドを全部電気自動車にしても、火力発電所で発電した電力を使うなら、環境負荷は減らないという事が言いたかった。ガソリン消費を賄う分のエネルギーを発電で賄う必要があるので、発電所をたくさん作らないといけない。電気自動車もたくさん作らないといけない。もっと燃料を使いそうな大型車や建設重機、農機具なども電気自動車にするのか?高速充電設備は高電圧、大電力のため、維持費がかかるという事だが、まあガソリンで供給するエネルギーを電気にして長距離移送するのだから、当然と言えば当然だ。また、山奥に燃料を運ぶのはそれほど難しくないが、送電線を張り巡らすのは膨大なコストがかかる。いろいろと、問題は山積みだ。まあ、だからこそ、新しい産業を生み出す(資源を消費する)おいしい未来が描けるのだろう。

白熱電球をLEDにすると、大きな節電効果が期待できるので、それなりのコストを支払ってもメリットが大きいと思えるが、蛍光灯からLEDという話になると、ちょと微妙になる。蛍光灯は器具の仕組みが違うので、追加の工事費がかかる。蛍光灯の寿命が短く、交換のコストや水銀を使うことの環境負荷を考えて、ようやくLEDが良いという感じだろうか。まあ、同じ電気器具なので、この移行はスムーズだったが、ガソリン車から電気自動車への移行はそう簡単ではない。何より、途中充電の必要性から、長距離移動に必要な時間が大きく伸びてしまう。この大きなデメリットを凌駕するメリットが見えないと、高額の費用を負担するのは難しいなあと思うのだ。

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