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乗り心地に対するフレームの寄与は2%? [日常]

カーボンフレームのロードバイクの乗り心地はどうですかとか言うネットの質問に対し、
「サドルを取り外し、立管に垂直荷重を加えて測った各部の縦方向変位データは次のようになっている。合計変位を100%とすると、フレーム2%、ホイール(リムとスポーク)3%、フォーク4%そしてタイヤ91%である。 " (自転車探検!)」
を引用して、フレームの硬さは乗り心地にほとんど影響しないという主張をする人がいるが、その論理は全く正しくない。と私は考えている。

もちろん、このような実験結果自体は嘘ではないと思われる。実際、タイヤを外してホイールだけで走ろうとすれば、路面の様々な凹凸で激しく車体が揺れ、とても乗れたものではないであろう。つまり、路面の凹凸を主に吸収しているのはタイヤであるという事実に異論は無い。しかし、だからといって、フレームが乗り心地にほとんど寄与しないというのは話が違う。そもそも、すべての凹凸の衝撃をタイヤが吸収してくれるのであれば、タイヤを装着した乗り物はすべて極めて快適な乗り物で有り、サスペンションなどは不要となる。実際、非常に丁寧に舗装された道路であれば、タイヤだけで極めて快適に衝撃を吸収できるだろう。しかし、現実の道路では、タイヤが吸収しきれない凹凸が多数あり、モーターバイクや自動車では、さらにサスペンションを装着するのが通常となっている。一方、サスペンションを装着しないロードバイクでは、フレームやフォークやハンドルバー、サドルなどのしなりや変形にサスペンションの代わりを果たしてもらいたいと思うわけだ。そもそもタイヤが吸収できる凹凸の振幅は、最大でもタイヤの厚みまでであり、それを超えればタイヤが吸収できずにフレームが揺れることになる。実際には、タイヤはかなりの高圧の空気圧で走行するのであるから、タイヤで吸収できない凹凸が多数存在する事になる。その振動をどうやって最小化するかという話である。
フォークは、片持ち梁の構造なので、オーソドックスな弓なり形状にすればしなりやすく、その材料が振動吸収性に優れていれば、振動吸収に寄与しやすい構造物である。一方、フレームは前三角、後三角と構造柔軟性に乏しい構造であるから、変形やしなりによって振動を吸収しにくい構造となっている。これが、上記実験結果のフォークとフレームの寄与度の違いの主原因なのではないかと想像される。つまり、剛構造であるフレームが乗り心地の悪さの主原因であり、これをなんとか柔構造にできれば、乗り心地は大きく改善されると思われる。例えば、シートステーをシートチューブでなく、トップチューブにつないだフレームが複数あるが、これは後三角を形成せずに、トップチューブ、ダウンチューブ、チェーンステー、シートステーの平行四辺形に近い形を形成する事により、フレームに縦方向の構造柔軟性を与える試みと考えられる。これがうまく機能すれば、乗り心地は大幅に改善されると想像されるが、シートチューブをどこかに固定しなければならないため、その処理の仕方で効果は大きく変化する。もちろん、駆動力を確保するための剛性も必要なので、どこかで折り合いをつける必要があるわけだが。
などと考えてXeliusを買ったのだが、実際に乗ってみると、ガチガチのフレームで驚いた。まあ、一応プロも使う(と称する)フレームなので、彼らの驚異的な脚力に合わせて作ってあるのだろうから、まあ当然と言えば当然である。ペダルに横方向の力を加えると、Defyよりもたわみは大きいくらいなので、フレームデザインの効果はそれなりにあるのだと思うのだが、貧脚の私にはそれでも堅すぎるフレームだと言うことだろう。まあ、サイズもXSなので、そんなサイズのフレームを使うプロは存在しないだろうから、このサイズに最適化されていないとも思われる。

いずれにしても、昨今の振動吸収を目指したフレームの開発は、無意味であるはずもなく、確実に効果があると信じている。タイヤだけ柔らかくすれば良いんだと断言する人がいるが、実際に同じホイール、同じタイヤ、同じ空気圧、同じハンドルバー、同じコンポ、同じサドル、同じポジションで、複数のフレームのロードバイクを乗り比べて見れば良い。私は現在4台のフレームを持っているが、明らかに、乗り心地もスピードもそれぞれに異なる。以前にも書いたが、私の場合、柔らかいフレームの方が乗り心地が良いのは当然だが、同時にスピードも上がる傾向がある。要するに、私の脚力はすぐに売り切れるので、疲れるフレームでは速度が維持できないのだろう。乗り心地が良く、疲れにくいフレームの方が、たとえロスが大きくても、長時間力を出しやすい。

と、こんな講釈を長々とする時は、目的は一つだ。そう、次のフレームが欲しいというわけだ。Brexitのおかげで?ポンドは順調に下がっており、海外通販価格は好ましい状態が続いている。MerlinのT600を使った柔らかそうなディスクブレーキ仕様のカーボンフレームIgnite(56000円,67%OFF)というのが、さてどこまで快適なのだろうかと、もう気になって気になって。一応、フレームを買いそろえておき、来年度以降のんびり試していこうと言うことになっているが、実際にフレームが届けばすぐに乗りたくなるのは必至で、うーん悩む。なぜ嫌いなディスクモデルかというと、娘がディスク用STIレバーをくれたからだ。これを無駄にしないためには、新しいフレームが必要になる。むふふ。


自転車乗りが理想とする自転車の所有台数は、常に現在所有している台数+1である。
(というような事がCanyonに書いてあった)

2019.9.16追記
フレームの効果についてうだうだ書いたので、一応検証まがいのことをやってみた。2週連続でロングライドを行い、乗り心地について実感してみた。まず最初は23㎜だったタイヤを25mmにしてみた。空気圧は変更無し、チューブはLightチューブをパンクさせてしまったので、ノーマルチューブに変更した。結果、乗り心地はかなり悪化した。これまで80㎞程度では何ともなかったのだが、50㎞でお尻がかなり痛くなった。原因はタイヤである。それ以外を変更していないので。以前も主張したが、空気圧が同じであれば、太いタイヤの方が転がり抵抗が少ない。これはタイヤの変形が少ないためで、当然その分乗り心地が悪くなるというわけである。タイヤを太くした際には、その分空気圧を下げなければ乗り心地が悪くなる。というわけで、次の週には空気圧を下げて試した。といっても、すでにこれまで前輪6bar、後輪6.5barとほぼ下限の空気圧であったため、両輪下限以下の5.5barにしてみた。その結果、50㎞でのお尻の痛みはマシになったが、やはりこれまでよりも乗り心地は悪くなっていた。タイヤの幅を大きくした際には、かなり空気圧を下げなければ乗り心地は悪くなると思われる。まあ、5.5barでも特に支障は感じなかったので、もう少し下げても大丈夫かも知れない。もちろん、これは体重に依存する。ちなみに、BXTでは6.5barで乗っても、お尻が痛くなることは無い。ハンドルバーもカーボンにする必要が無いほどフロントもマイルドだ。まあ、これはちょっと怖いが。Xeliusのフォークはかなり硬めで、これがかなり乗り心地を悪くしているように思う。50㎞時点で、お尻も痛いが、手も痛い。3Tのカーボンハンドルバーでも振動吸収が十分でない。

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