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カーボンパーツの硬さ [日常]

昨日、Xeliusの組み立てが終わり、町内3周してディレイラーの調整が終わったところで、強風と小雨で退散してきたところである。105(5800)のクランクとアルテグラのペダルのセットをDefyから引っぺがし、Xeliusにつけてあげた。これで、ほぼ105仕様+一部だけアルテグラ(ペダルとFD)になった。本当は、RDがひん曲がってしまっていて、先日無理やり力業で修正したやつなので、今回新しいフレーム用に購入予定だったのだが、105にするかR8000にするかで悩んでいるうちに、フレームが届いてしまった。まあ、町内3周では問題なく動いたので、しばらくこれで様子見だ。まあ、チェーンも伸びかかっているのをキリハリして移植したし、STIもR8000に換えたいのだが、それも後のお楽しみにして、なんとバーテープまで、中華バーテープ(150円)の使い古しを再利用して組んだ。新しいバーテープもあるのだが、ついつい貧乏性で。ブレーキケーブルも全部BXTからのお古のままである。シフトケーブルも移植しようとしたのだが、ケーブル取り回しが変わったため、長さが足りず、虎の子のアルテグラのインナーをおろした。新しいケーブルは、取り扱いが楽て良い。先端がまとまっているので、作業が瞬時に終わる。使い古しのケーブルをライナーに通したりするのは、結構手間がかかる。まあ、貧乏話はこれくらいにして、本題。
今回、Xeliusのロングライドができなかったので、パーツのお話。先日、Wiggleで3Tのハンドルバーがなんと9000円だったので、サイズが少し大きかった(42cm)のだが、Xelius用に買っておいた。先日割れて交換した中華ハンドルバーの本家なわけだが、ハンドル単体で押してみても、自転車に装着して体重をかけてみても、中華ハンドルバーと硬さに差は無い。というか、3Tで下ハンを握ると、明らかにたわむ。これは、中華バーよりもずっと柔らかい。こんなんじゃ、ゴール前のスプリントで安心してダンシングできないんじゃない?と思ったが、私はそんな事には縁がないので、問題ない。むしろ、ロングライドで乗り心地が良さそうなのでOKである。シートポストは、同じくwiggleのbrand-Xのカーボン製だ。たしか3600円くらいだったと思う。どんなのが来るか、不安だったが、工作精度は非常に高いものが届いて、大満足だ。なにしろ、エディーメルクスのシートチューブが割れたのは、もとはといえば、シートポストがゆるゆるで、うまく固定できなかったからだ。その点、brand-xのシートポストは完璧で、Xeliusのあまり評判の良くないウス型のクランプでも、軽く締めただけで、ぴたりと固定された。まあ、実際にはファイバーグリップを塗るので、じゃりじゃりするのだが。強度も十分、のような気がした。
で、Xelius組み立てにあたり、フォークのコラムカットと、短い足に合わせて、シーポストのカットを行ったわけだが、ここで驚いた。いつも、カット位置を決めた後、パイプカッターで軽くキズをつけて、その傷を目印に金のこでカットするのだが、まずフォークのコラムで試すと、傷がつかない。仕方なくちょっときつめに締めあげて、回すと、うっすらと傷跡が残ったので、それでよしとした。で、次にシートポストで同じことをすると、パイプカッターの刃が面白いようにめり込んでいく。そのままカットできそうな勢いだ。まあ、ささくれるのでやらないが。で、線が引けたので、のこぎりでカットすると、フォークコラムは、黒い粉が出てくる。そう、カーボンだ。この辺は本職なので、良くわかる。焼成した純粋なカーボンをのこぎりで切ると、こんな感じの粉が出る。今回、新しい刃に換えたら、切れすぎて少しミスったが、まあ無事に切れた。別に硬くない。で、brand-xのシートポストを切ると、なんと白い粉が出てきた。断面も白い。そこら中白い。つまり、カーボンでは無い。類似の現象は他の中華パーツでもあった。結局こういうことだ。
 カーボンパーツは、いわゆる炭素繊維を熱硬化型エポキシ樹脂で固めて作るわけだが、エポキシ樹脂の粘度は温度が高いほど低くなり、型からしみだしてくる。それと同時にエポキシ樹脂に仕込んであるマイクロカプセルに入った硬化剤が、高温で破れて溶出し、エポキシ樹脂の硬化が始まる。この昇温過程をうまく制御すると、カーボンファイバーのプレプレグから余分なエポキシ樹脂を取り除いて、炭素繊維の割合の高い炭素繊維強化プラスチックができるわけだ。しかし、このプロセスをそんなに頑張らなくても、エポキシ樹脂は硬化して、似たような炭素繊維強化プラスチックができる。見た目はおそらくあまり変わらない。しかし、上記の様にのこぎりで切ったりすると、その削りカスに差がでるのだ。グラファイトやアモルファスカーボンは、微粒子になれば黒い。そういうバンド構造なのだがら、これは間違いない。一方、エポキシ樹脂は通常透明であり、これを微粒子にすれば、白くなる。だから、エポキシ樹脂の割合が多くなると、削りカスは白くなるというわけだ。
じゃあ、エポキシ樹脂の多いカーボンパーツはだめなのかというと、おそらく必ずしもそうではない。カーボン繊維は、軽くて強靭だが、それは引っ張った場合で、押したら柔らかい。一方、炭素繊維を固めるために使うエポキシ樹脂は、通常の接着剤に比べると、かなり硬度が高く、それだけでかなりしっかりした構造材である。つまり、パーツによっては必ずしも炭素繊維の割合が高ければ良いというわけでは無いと思われる。実際、フォークコラムのカットした部分は、若干ゆがみが出ていて、ステムがスムーズに通らなかった。しかし、brand-xのシートポストは、全体にわたり、高精度だ。そのパーツの何が重要なのかと、製造コストを考えて作るのだろう。3Tのハンドルバーはカットしていないので、炭素率はわからないが、おそらく黒い粉が出るのだろう(希望的観測)。中華ハンドルバーは、先日割れたのとは別のやつを切ったことがあるが、粉はやや白かったと記憶している。樹脂が多くても、そう簡単に折れたりしないが、ステムで咬むと、そこがへこむ。炭素繊維率が高いと、これはへこまずに、どこかで突然折れる。炭素材料とはそういう素材だ。先日話題になった某社のコラムが凹んだリコールの件も、おそらく中華フォークの品質管理不足だったのではないだろうか。
Xeliusを組みながら、こんなことを考えていた。ちなみに、105主体で組んだのだが、最終的にペダル込みで7.2kgになった。軽い。町内3周では、乗り心地は良かった。とりあえず、今のところめでたしである。後は、晴れを待つのみ。
section-column-seatpost.jpg
カットしたシートポストとフォークコラムの断面。左がシートポスト。御覧の通り、白い。カーボン製というより、プラスチック製という感じ。軽くないし、強くない。でも安い。


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