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マウスコンピュータ、静かに死に、そして復活 [日常]

職場で今年購入したマウスコンピュータのノートPC(E4-i7)が故障した。電源を入れるとしばらくしてBIOSの画面が立ち上がり、そこから抜け出せない。昔のPCはHDDだったので、現在どんなレベルでトラブっているか、音を聞いていたらシーク音などでだいたい分かったのだが、最近のSSDは音がしないので、まったく見当がつかない。私も長いことPCを使って来て、さらに学生やポスドクの(時には大学事務室の)PCの管理もやってきたが、いきなりBIOS画面が起動して身動きが取れないというのは、初めてのケースだ。ネットをみると、とりあえずマザーボードの放電をしろとあるが、最近のノートPCはバッテリーを外せないので、それもできない。こうなると、メーカーに修理を依頼するしかないのだが、さてここで問題である。
研究所では、PCを廃棄する際、HDDやSSDは物理的に破壊して廃棄することになっている。もちろん、情報漏洩を避けるためだ。では、修理の際はどうするのか?以前、タブレットが故障した際に、情報関連部署のSEに問い合わせたことがあるが、「修理?はあ、確かに問題ですねえ。」と情報漏洩の危険性に対する理解は示したものの、結論は得られなかった。おそらく、通常はメーカーを信頼してそのまま修理に出すものと思われるが、故障しているのがSSDやHDDだった場合、メーカーはそれを交換し、初期状態にして返送すると思われる。壊れていたSSDやHDDの処分をどうするのか、気にする人もいないのかも知れない。しかし、USBメモリーひとつ無くしただけで、プレスリリースする昨今、PCの故障で何も考えず修理に出すのは、後になって責められかねない。(後だしで責めるのは良くある話。)だから、情報が入ったままのPCを修理に出す気になれないのだ。修理に出すとすれば、SSDを外して出すことになるが、今回の故障の様にSSD自体の故障が疑われる場合、修理不能となる可能性が高い。もちろん、蓋を開けなければSSDを取り出せないので、SSDを取り出した時点で保証対象外となり、有償修理になる可能性が高い。で、これまでの経験上、ノートPCを有償修理するくらいなら、新しいPCを買った方がましと思えるほど高額の修理費になることが多い。
さて、そうこうしているうちに、注文した玄人志向のM.2 SSDのケースが届いたので、補償問題はどうにもならないので、さっさとSSDをPCから外してUSB接続してみた。すると、容量0MBのフォーマット不可能のドライブとして認識された。どうもかなり絶妙な壊れ方をしている様子だ。顕微鏡で見ると、表面実装のコンデンサらしい素子がいくつか黒くなっている。焼け焦げたのか?というわけで、新しいSSDを注文した。そこにWindowsを再度クリーンインストールする予定だ。

で、SSDが今日届いたので、早速Windows11をインストールした。が、これが結構難関だった。クルーシアルの1TBのSSD(P5 Plus PCIe4.0 NMVe これが短納期だった)の装着、USB起動のWindowsインストーラーのダウンロードは問題なく済んだ。で、USB起動で早速インストールを始めると、SSDを認識しない。BIOS画面では認識しているのを確認しているので、SSDに問題は無いはずだ。ネットで調べるとIRSTドライバーが必要だという。マウスコンピューターのサイトでは見つからなかったので、ASUSのドライバをぶっこんだら、何とか認識した。で、順調にインストールが進んだと思ったら、言語、キーボード選択等の後にネットワークに接続してくださいと来た。で、これが問題だ。E4-i7には有線LANポートが無い。WiFiのみだ。で、WiFiのドライバーはインストールしていないので、使えない。ネットワークに接続する術が無いのだ。というわけで、またまたネット検索し、ローカルアカウントを設定する裏技を実行。ようやくインストールに成功した。で、マウスコンピュータのサイトで必要なドライバを別のPCでダウンロードし、インストールした。これでWiFiも使えるようになり、無事Windows11Proのインストール完了だ。気になっていたプロダクトキーの入力は、そもそも入力画面が出てこなかった。ネット情報によれば、ROMにプロダクトキーが保存されているので、入力不要だという。そもそも、Proバージョンなのだが、Home/Proの選択画面も出なかった。これは便利な機能だ。SSDが死んでも、復活がかなり楽になる。同時に、最近のPCはProかHomeかを気軽に選べないのだが、その理由もわかった気がする。ROM焼きをしないといけないのだ。

というわけで、半年程度でSSDが死んだという単純な故障だった。前ぶれなくいきなり死んだので謎めいてしまったが、まあ単純な案件だったようだ。日本製のPCということで、信頼性の高さが売りのマウスコンピュータだが、SSDの故障(故障率は4%とかいう数字を見かけた)という憂き目にあった。古いPCなら、HDDのシーク音がしたり、CDドライブのアクセスがあったりして、起動ドライブを探しているなあとかいう雰囲気が伝わってくるのだが、最近のPCはシーンとしたまま、BIOS画面が起動するので、なんかよくわからない。で、SSDに機密情報が入っていると、気軽に修理にも出せないので、自力でやるしかなくなり、自分で修理できなければ、捨てるしかない感じだ。まあ、安価なPCなので、基本使い捨てであり、こういう対応になるしか無いのかもしれない。

ちなみに死んだSSDはADATAのSX6000PNP 512GB。評判は悪くないSSDだ。見ると、マウスコンピュータのサイトに、ファームウエアのアップデータがあった。認識不良の改善が含まれるとか。そういうことなのか?いや、まさかね。

2023.12.13 追記
上記の故障したPCは、2台購入した中の1台だったのだが、残りの1台が昨日、同じ症状になった。さすがに2度目となれば、様子が分かったので、マウスコンピュータに電話してもらったところ、保証期間内なので、明日回収にきて3日以内に修理してくれるという。なかなか迅速な修理だ。しかし、同時購入の2台が全く同じ症状で1年以内に壊れるとは。ローカルに見れば故障率100%だ。ちなみに、今回壊れたPCでは、上記のSSDのファームウエアアップデートはやったので、ファームウエアの問題ではないことが明らかになった。
実は1台目が壊れた際に、自力で修理できないことも考えて、追加でもう1台購入してあるのだが、ひょっとしてそれも今後壊れるのではないかと不安になる。さらにもっと心配なのは、自宅で買った同じ型番のPCだ。職場のPCはクラウドを主体に使っているので、PC本体のデータが吹っ飛んでも実害はほとんどないのだが、自宅のプライベートPCは、本体内にローカルにかなり重要なデータが入っているので、SSDが吹っ飛ぶとやばいのだ。
やはり、安かろう悪かろうのPCを使うのは、リスクがあることを理解する必要があると痛感した。
ちなみに自力で修理した1台目は、今のところ問題なく動いている。

2023.12.20 追記
マウスコンピュータでの修理は確かに高速だった。あっという間に修理されて帰ってきた。修理内容は当然のことながらSSDの交換。プロパティーで確認すると、交換品はADATAのSSDではなく、国内の供給会社の製品らしく、メーカーは不明なものの、まあとりあえず同じ製品ではないので一安心。で、自宅のマウスPCのSSDも確認したら、こちらはサムスンのSSDで、これもまた一安心。むしろ私が自宅で使っているレノボのThinkPadは、そもそも中華PCなので、当然ながらSSDも中華。とはいえ、ネットで調べるとそこそこ高価なSSDなので、まあそれなりに大丈夫かなあと。残りのマウスコンピュータのノートPC2台のSSDを確認すれば、ちょっと安心できるかも。

2023.12.22 追記
残りの2台を調べ、それぞれサムスンとキングストンだった。不具合のあったADATAのSSDが使われているPCはほかには無かったことで、ちょっと安心した。で、ふと思った。自宅のPCは、マウスコンピュータの直販サイトで購入した。それと私の職場のPCは割高なマウスプロで、どちらもサムスンのSSDが使われていた。一方、故障した2台は見積競争で量販店が落としたのだが、なんと依頼はcore i5だったのに、core i7はいかがですかと言われ、アップグレードして喜んで購入したPCだった。購入価格は、直販サイトのcore i5よりもかなり安かった。キングストンが使われていたのは、追加で購入したPCで、納品したのは別の量販店だが、これは直販サイトよりも高額だった。どうも、この辺にからくりがありそうな気がする。もちろん、気がするだけだが。

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手鍋焙煎のこつ [日常]

手鍋焙煎を始めて、もう3年になる。進歩がないと言えばそうなのだが、さすがに少しはましになったので、こつを書いてみたい。

1.鍋はアルミ鍋
ステンレスは基本的にNGだ。意外にもおいしく焼けた時も何度かあるのだが、やはりアルミが望ましい。焙煎機はドラム型でクルクル回して全体を加熱するのだから、温度の均一性が重要なのは間違いない。鍋は回せないので、熱伝導の良い素材でなるべく鍋全体が均一な温度になるようにする必要がある。ステンレスでは、底だけが熱くなり、うまく行かない。アルミなら何でもOKだと思う。最近、フッ素樹脂関係が問題視されているので、アルマイト鍋が良いかも知れない。

2.フタはアルミ(穴開き)
ガラスのフタを使っている人が多いと思うが、できればフタはアルミが良いと思う。ガラスのフタは重く、熱容量が大きくなるため、なかなか温度が上がらない。そのため、フタに水分が結露して鍋の中の湿気が抜けにくい。また、出てきた蒸気やガスは速やかに追い出したいので、アルミのフタに穴をあけておくのが良いと思う。

3.火加減は中火?
一般に、1ハゼ8分などと言われるが、その根拠を示した例はほとんどない。曰く、のんびりしていると揮発性の風味が飛ぶとかいうのだが、これも確認した例はなかなか見つからない。商売で焙煎する場合は、焙煎時間は非常に大きなファクターになる。短時間で焙煎しなければ、コストアップにつながるからだ。しかし、自分で焙煎する場合には、コスパはあまり関係ない。では、何に注意するかというと、150℃以上の温度上昇率だと感じている。逆に言えば、150℃以下の温度管理はそれほど重要じゃないというか、なるべくゆっくりが良いと思う。
さて、150℃付近で、いったん温度上昇が鈍る。このあたりから、豆の内部で化学反応が始まり、それと同時に豆の水分が抜け始めるので、気化熱のために温度が上がらなくなるのだと思っている。150℃から1ハゼまでが豆の水分を抜くプロセスで、ここは急ぎすぎないのが良いとされている。1ハゼといっても、始まりから終わりまで2分半程度かかる事が多く、その間にも温度は上がっている。ここの温度管理がおそらく一番重要になる。RORと呼ばれる温度上昇率が、1ハゼ前後で小さい(温度上昇がゆっくり)だと風味の抜けたコーヒーになると言われる(ベイクト)。この理由を解説したものはほとんどないが、どこかのブログで、豆の内部の温度差の議論をしているのを見て、なるほどと思った。
コーヒーの風味の成分は、生豆の成分とは大きく異なっており、生豆の成分が温度上昇とともに刻々変化して、最終プロダクツがコーヒーになる。この反応が一つの豆の中で生じているわけだ。豆の温度が均一になってしまうと、化学反応も単調になり、生成物も単純なものになってしまいそうな気がする。豆の内部に温度差があると、場所により化学反応や生成物が異なることになり、それらがうまく機能した場合、複雑で好ましい風味になるのではないかと考えている。豆の内部に温度差を生じさせる手法がRORをある程度大きく保つことだと思われる。これが重要になるのは、メインの反応が生じる1ハゼ近傍で、それ以外の温度でのRORは風味形成にはあまり影響しないのだと思われる。したがって、火加減は1ハゼ前後のRORがいい感じなる火加減に最初から合わせ、あまりいじらないのが正解だ。鍋を振るのに忙しいので、そんなにタイミングよく火加減を正確に調整できないからだ。この火加減はそんなに強くないので、最初からこの火加減だと、1ハゼ8分は到底無理で、10分近くかかる事になるが、問題ではないと思っている。

4.深煎りなら豆は洗う
Highローストまでは良くてもCityで雑味発生というのをずいぶん長いこと繰り返してきたが、やはりチャフが悪さをしていることを確信した。焙煎機ではチャフは途中で吐き出されるので、問題にならないが、手鍋焙煎では最後まで鍋に残るので大きな影響を与える。一般に、1ハゼ付近でチャフが豆からはがれるとされる。その後、チャフは豆と一緒に焦げていく。薄皮のチャフだけならそんなに問題はないのだが、チャフには果実の残りかすが多少の差はあっても付着しているのだ。これが、場合によってはひどい雑味を生成することになる。事前に水洗いして、チャフに付着した果実の残渣や汚れを除去しておけば、この影響を最小化できるというわけだ。これで満足できなければ、焙煎機を使うしかない。
こう考えると、豆をお湯で洗うというのは、その目的が今一つ明確でないように思う。豆に水分が染み込んだり、豆から水溶性の成分が溶け出したりしないように、低温の水で素早く洗って乾かすのが良いと思われる。水切りにはサラダスピナーはなかなか強力だった。
さて、手網か手鍋かという選択肢があるが、私は手鍋派だ。大体において手鍋の方が合理的だが、唯一このチャフの除去という点で、手網が優れている。周りに飛び散るという問題はあるものの、途中でチャフは飛び出していくので、深煎りする場合には都合が良い。実際、手網焙煎の愛好家は深煎りが好みの人が多いように感じる。手鍋であれば仕方がない、豆を洗おう。


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