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電子レンジ [くだらない話]

我が家に電子レンジが登場したのは、私が小学生の頃、と言えば歳がばれるが、当時その電子レンジという名前にも、その原理にも何の疑問も抱かなかった。夢の調理器具と謳われ、様々な料理が提案されたにもかかわらず、実はユーザーの舌は確かであり、最終的にご飯を温める事を主目的とする調理器具になりはてた感がある。
そんな状態であったからか、大学生になるまで、実は電子レンジの加熱原理を知らなかった。そんな私でも、学生実験の時の話のネタの一つがこの電子レンジであった。私同様、非常に多くの大学生がこの電子レンジなる奇怪な加熱調理器具の加熱原理を知らなかった。そして、こちらの期待通り、その名前から想像される加熱原理、つまり電子が飛び出してきて云々というでっちあげを語ることになる。
この電子レンジという命名は、英語名のmicrowave oven からあまりにもかけ離れているので、悪しき和名命名の典型と評されている事が多いが、ある意味夢のある命名であり、話のネタにもなるので、私はそれほど悪い命名とは思っていない。
と、話が大幅に脇道にそれたが、主題は私の息子の話だ。先日、6歳になる息子に、電子レンジの加熱原理を聞いてみた。すると、何と「光」と答えたのだ。6歳という年齢を考慮せずに、その答えだけを聞いたら、思わず「正解」と答えたくなるところだ。しかし、一体全体こいつは何を考えて、「光」などと答えたのだろうか。ひょっとすると天才なのか。(いや、実はそんなことは思わなかったが)
で、問いただしてみると、スイッチが入ると、庫内の照明が点く。その照明を見て、それが加熱源であると思っていたらしい。なるほど納得である。子供の目の不思議さには、関心するばかりである。
こういった錯覚を笑ってばかりいられない。はるか昔、たしか任天堂のファミコンにまつわる特許訴訟で、似たような噂話を聞いたことがある。
マイクロ波の照射と庫内の照明は連動しており、素人から見れば、照明で加熱しているとの区別がつかない。マイクロ波も電球の光も電磁波であり、広義にとらえれば、電球で加熱するのと変わりがない。と言うわけで、電球による加熱装置の特許を侵害しているなどと訴訟を起こされ、敏腕弁護士に陪審員を説得されたら、大変なことになりそうだ。
物事を見る場合には、常識を捨てて、純粋な気持ちでみなければいけないなあと、つくづく思うのである。


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