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イージーホースジョイントシステムは自転車屋に朗報か [日常]

先日、ネットで有名な自転車屋さん(飯倉さん)が、シマノのイージーホースジョイントシステムを何だかな-とか言っていた。GIANTのConductシステムも、各ユニットにオイルが充填された状態で納品され、つなぐだけで、基本的にオイルが満たされた状態になる。しかし、自転車に合わせてホースをカットして接続するため、(カットしなくてもだが)結局エア抜きの作業が必要になり、何のためにオイルを充填して販売しているのか?と疑問に思った。
シマノのイージーホースジョイントシステムも同じようなシステムである。STIやブレーキキャリパー等にはオイルが充填された状態で納品される(のであろう、多分)。で、STIへの接続などもオリーブがすでに挿入されており、あとはホースを差し込んでネジを締め込むだけという形になっているらしい。さらに、STIからのホースとキャリパーからのホースは、ハンドル下でジョイントで接続する仕組みになっている。その分ハンドル回りのホースの取り回しが不格好になるという欠点があるが、左右の接続が自由に換えられるというメリットが生まれる。おそらく、このシステム導入の理由はここにあるのでは無いかと思った。
先日、GIANTストアで海外仕様で納品された自転車を、日本仕様にするためにホースのつなぎ替えが必要だったという話を聞いた。海外では、右が後輪ブレーキで、左が前輪ブレーキとなっているが、GIANTでは、日本に発送する自転車は日本用に接続してから送るらしい。油圧ディスクブレーキでは、オイルがつながっていればOKなので、ある意味ワイヤー引きよりも接続変更は楽にできるという側面があるが、実際には、ホースの長さ調整があるので、結局ホース全体を取り替える必要が生じ、面倒な(工賃の高い)作業になる。しかし、イージーホースジョイントシステムでは、途中のジョイントのところを入れ替えればOKなので、日本仕様と海外仕様を簡単に切り替える事が可能になる。つまり、日本用と海外用を同じ工程で製作できる事になる。変速は共通なので、ブレーキの左右切り替えがOKなら、国際共通自転車の誕生となるわけで、メーカーはコストダウンが可能になるはずである。しかも、油圧ブレーキのエア抜き工程で面倒なのは、キャリパーのエア抜きである。このシステムでは、キャリパーのエア抜きは簡略化可能なので、STIのエア抜きだけをやれば、組立終了となり、販売店の作業コストも削減できる。
(類似の取り組みは自動車では、すでに昔からやられており、右ハンドルと左ハンドルを如何に低コストで切り替えるかを、自動車メーカーは限界まで追い込んで来たはずである。ボンネットを開けて中をのぞき込むと、その努力の跡が少し見てとれる。)
とまあ、見た目はかなりがっかりなシステムだと思ったが、メーカー側には色々とメリットのあるシステムと思えた。ただ、ハンドル下のジョイントが気に入らないので、私なら自分でホースを引き直してしまいそうだ。ちなみに、純正の油圧ホースは前後で3000円以上するが、ホース交換に伴うエア抜き、バーテープの巻き直しなどの工程を考えると、自転車屋に依頼すると工賃の方がずっと高くなる感じだ。でも自分でやれば半日あれば済みそうだ。何しろ相当授業料をはらって経験を積んでいるので、これくらいはできる。いじるのも趣味なので、仕方が無い。

なぜこんなことを言い出したかと言うと、下記の通り、最近油圧のSTI(ST-8020)をDefyにインストールして、マニュアルを読んだからだが、それと同時に娘に油圧ディスクシステムの自転車を買ったら、それにイージーホースジョイントシステムがついてきたからだ。娘は変わり者で、ブレーキを左右反転して、海外仕様で乗っている様で、自転車屋に反対にするように依頼したら、無料で対応してくれたので、驚いたという訳だ。そのからくりが、このイージーホースジョイントシステムで、メーカーから納品の際、ハンドルしたのジョイントは未接続だったらしく、これを逆に付けるだけなので、工賃は無料だと言うことらしい。
ST-8020は、発表されてから、パーツとして市場に出てくるまでかなり時間がかかった。一方で、メーカーの完成車には2ヶ月ほど早く導入されて販売されており、なぜメーカーには納品するのに、パーツとして出回らないのだろうと不審に思っていた。そして、今回自分でパーツを購入し、完成車を見てわかったのが、メーカーに納品していたのはおそらくこのイージーホースジョイントシステム版のSTI(グループセット版か?)で、パーツ単体販売とは、構成が異なっていたのだろうということだ。まあ、メーカーもいろいろ考えるものだと感心する。シェアを広げるというのは、こういう努力のたまものなのだろう。そういえば、シマノは独占禁止法適用の恐れは無いのだろうか。

2018.2.28
やはりGIANTストアを信じてはいけない事がわかった。娘のロードバイク(アルテグラの油圧ディスク仕様)を買ったら、前輪ブレーキが盛大に鳴いたので、すぐにパッドを交換してもらった。その前に自分で洗浄してみたのだが、かなりの洗浄でも直らず、これはミネラルオイルが大量にかかった場合の症状だと想像されたので、パッド交換をお願いした訳だ。担当者曰く、ブレーキの効きの試験もしたんですが、申し訳ありませんという事で、非を認めてすぐに無料で交換してくれたのは良かったのだが。交換する様子をチラチラ見ていると、ちゃんとアルコール(多分IPA)でスプレーし、洗浄していたので、まあ大丈夫と思っていたのだが、帰宅する頃には、再び若干の鳴きが。まあ、使えないほどでは無かったので、これで良しとしたのだが、昨日まじまじとブレーキキャリパーを見てみたら、何やらキャップが外れている。よく見ると、エア抜き用のパイプのキャップが外れ、そこからそこそこの量のオイルが流れ出していた。どうやらこれが、盛大な鳴きの原因だったようだ。そもそも、油圧ブレーキのエア抜き後は、この部分はIPAで洗浄し、きれいに拭き取った後、ブレーキパッドを装着する事になっている。それを拭き取りもせず、キャップも忘れてそのまま納車した事になる。最悪なのは、ブレーキが鳴いていると持ち込まれたのに、その部分を確認せず、関係ないところを洗浄して、これで大丈夫と再度納車するその技術の低さだ。自分で、効きを確認したブレーキが鳴いたのなら、その原因をさっと確認し、その対策をするのが普通だが、どうもそういう神経を持ち合わせていないらしい。
で、表題に戻るのだが、イージーホースジョイントを採用している完成車は、おそらくメーカーでエア抜きされたキャリパーを取り付けているのだと思うのだが、もしそうだとすれば、今回の不具合は、台湾のGIANTの工場での不手際という事になる。しかし、気になるのは、エア抜きバルブのところから、オイルが漏れていた事である。確認したところ、前輪も後輪も両方漏れていた。これは、後始末が悪いというだけでなく、なんとキャリパーのエア抜きをやったということを示している。上述の通り、おそらくイージーホースジョイントを使った場合、キャリパーのエア抜きは不要だと思われるのだが、なぜ、キャリパーのエア抜きをやる必要があったのだろうか。想像はいろいろできて、1.本来は不要なのだが、販売店が念のためエア抜きをやった。2.GIANTに納品されているイージーホースジョイントシステムは、エア抜きされたものではなく、GIANTで組み付ける際に、エア抜き行程が必要なものであった。(GIANT工場でエア抜きした)3.実は、想像に反してイージーホースジョイントシステムでもキャリパーのエア抜きは必要とされていて、販売店はやらなければならい。などである。もし、3だとしたら、どこがイージーなの?という感じだが、だれも責任をとりたくないという昨今の風潮からすれば、エア抜き不要の製品を作っても、念のためエア抜きしてくださいとか言いそうな感じはする。
いずれにしても、素人レベルの私がネット情報を参考に整備した普通の油圧ブレーキでさえ、絶対に起こさないレベルの最低のミスで、極めて危険な状態の自転車が、GIANTストアから納車されたというのが現実である。その原因がシマノの中途半端なシステムにあるのか、GIANTストアの低レベルの整備技術にあるのか、メーカーの組み立て工程にあるのか、私にはわからないが、いつもの事ながら、被害者は末端のユーザーということになる。たまたま私が発見したから良かったが、知らずに乗って長いダウンヒルの途中で、再度パッドにオイルが回り込んだらと想像すると、やはり自転車の整備は自分でやるしか無いと思い知らされるのであった。


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