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エディーメルクス ムーラン69(2017)のシートチューブにクラック [日常]

Merlinで購入したエディーメルクスのムーラン69(2017)だが、最近シートチューブにクラックが入っている事に気がつき、現在使用中止中である。そもそも、このフレーム、シートクランプがちょっといい加減で、締め付けるネジの緩み止めがシートクランプの動きを妨げ、まともに機能していなかったという側面を持つ。最初の組み上げの際に、分解して注油すれば良かったのだが、早く乗りたくでそのプロセスを省略したのがまずかった。結局、乗り始めてからシートクランプがまともに機能したことが無く、最初の数kmの間にシートポストが最後まで落ちてしまう状態が続いていた。このクランプは締め付けトルクの指示も無く、5N・mくらいを目安に締めていたのだが、今ではそれが正しいのかどうかさえわからない。さて、シートポストは最後まで落ちてしまうのだが、何しろ短足の私ではそれでも適正値から5mm程度しか低くないので、問題無く乗れていたのだ。しかし、どうやってもシートポストが落ちるので、詳細に調べていて、クラックが入っている事にようやく気がついた。で、思い出してみると、数回前のライドで、路面のギャップを超えた際に派手な音がした事があった。何事かと戻って路面を確認したが特に大きなギャップでも無く、なぜ大きな音がしたのか不明だったのだが、おそらくあのとき、クラックが入ったのだろう。さて、こういう時、フレームの保証云々が気になるところだが、だいたいこういうトラブルの対応は期待できない。ユーザーがシートチューブにバールをねじ込んで割ったのでは無いという事を証明する事は困難で、よほどユーザーフレンドリーなメーカーでない限り、保証してくれないと思われる。そもそも、エディーメルクスは今年で終了の予定だったブランドで、すでに身売りが決まっている。そんな状況だから、海外通販で安売りをしていたのであろうし、それを購入するという事は、すべて自己責任で対処する事が前提である。だいたい、フレームが割れた事に対する対処は修理以外に考えられず、最大でもMerlinに送り返して修理してもらう事になるだろうが、そもそもフレームを送るだけでも大変な作業で、それを修理して戻ってくるまでに2-3ヶ月はかかりそうだ。

sheet-tube1.JPG

クラック部分の写真。見にくいが、縦筋がわずかに見える部分がクラック。クランプを締めると広がってくる。

というわけで、できるだけ自分で修理して、修理できたらまた乗ろうかという感じだったのだが、なぜ割れたのか、よくよく見てみると、これは欠陥フレームでは無いかと思えてきた。通常、シートポストのクランプは、シートポスト全体を締め上げて固定する。異形のポストであっても、同様であり、その工夫はいろいろだ。しかし、このクランプ、一面から、反対側に押しつけるだけのクランプであり、その意味で固定力が弱い。だから落ちるのだが、これを落ちないように締め上げると、何が起きるかというと、クランプの反対側に強い応力が発生する。通常、その部分はシートチューブのエッジにかからない様に設計されている。エッジ部分は弱いからだ。しかし、このクランプでは、シートチューブのエッジ部分に大きな応力がかかるような構造になっている。したがって、ポストが落ちないように強く締めれば、かなりの確率でシートチューブが割れるはずである。これを防ぐには、シートチューブのエッジ部分をかなり分厚く作り、大きな応力に耐えられるように作るしか無いが、割れた部分を見ると、かなり薄く作られており、ああ、これは割れるねえという印象だ。つまり、割れるべくして割れたと思われる。

sheet-clump1.jpg
シートクランプの部分。この構造が購入前にはわからなかった。これを知っていれば、買わなかったかも。

以上の解析は、まあ独りよがりの考えかと思っていたのだが、Merlinのサイトでまだ販売されているムーラン69(Diskブレーキモデル)の完成車の写真を見て、ビックラこいた。なんと、私のクラックと同じ部分が割れているのだ。こちらはフレームの販売では無く完成車なので、乗れるように組み上げてある。シートポストも組み付けて、クランプも締め上げたのだろう。おそらくその途中で割れたのでは無いだろうか。割れれば音で気がつきそうなものだが、気づかず、商品の写真として掲載してしまったのだろう。つまり、このフレームは、Merlinのお抱え作業員が組み上げても割れてしまう、欠陥商品なのでは無いかと思われるのだ。

44123_eddy_merckx_mourenx_69_105_disc_road_bike_2017-part.jpg

Merlinサイクルで現在販売中の完成車の写真。なぜか、わざわざ割れた部分を載せている。私のクラックと同じ部分だ。まあ、こちらの方が派手だが。
https://www.merlincycles.com/eddy-merckx-mourenx-69-105-disc-road-bike-104189.html


同じフレームを買った人は、ご愁傷様である。今はなんとか割れずに組み上げられても、いずれ乗っている最中にバキッと割れそうな構造である。

2021.9.24 追記
二年ほど放っておいたが、ようやく修理してみた。詳細は最新のページに記すが、どうもプレプレグの貼り方が悪かったような感じだ。塗装を削ってファイバーの模様が出てきたら、ちょうどクラックの場所に繊維の方向の違う部分が来ていた。一番力のかかる部分に境目が来るように貼るとは、設計が悪いのか、製造が悪いのか。困ったものである。


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No.16

はじめまして
ブログを楽しく拝見させて頂いております

ムーラン69に心が揺れていたので大変参考になりました
見た目は文句なくカッコイイのですが構造的欠陥は困りますね…


by No.16 (2020-03-16 13:38) 

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