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暖かな日曜日の午後、駅前の公園にはゾンビがぞろぞろ [日常]

日曜日の午後、短くしすぎた9Sチェーンを一コマ継ぎ足すという神業を成し遂げた満足感を携えて、通勤用自転車で駅前のスーパーにお出かけした。駅前は賑わっていた。駅前には公園があり、多くの人たちが暖かな午後の日だまりでのんびりとくつろぐ姿が.........
ん?いや、ただくつろいでいるのとは少し違う。多くの人たちが、片手にスマホを持ち、立ち止まってじっと見入っている。スマホから目を離さずにそのままフラフラと歩く。そして立ち止まる。またフラフラと。相変わらず視線はスマホから離さない。自転車が迫ろうが、子供が転ぼうが、どこ吹く風だ。これはどこかで見た光景だ。多くの人たちが、視線の定まらない様子で無秩序にフラフラと歩く。そう、ゾンビだ。もちろん、本物のゾンビは見たことが無い。映画のワンシーンだから、本物のゾンビが(居たとして)そんな風に歩くのかどうか知らないのだが、彼らはまさに映画に出てくるゾンビだった。
ゾンビの様な人たちは何をしているのか、そう、おそらくポケモンGOだ。駅前の公園は、ポケモンGOにとって、特別なスポットになっているのは有名だ。他にも似たようなゾンビが出没するスポットがいくつかある。車で乗り付けるゾンビも居る。彼らは車からあまり出ないので、排気ガスで周辺を汚染するという点を除けばまだましだ。怖いのは夜、遊歩道の街路樹の陰に数人が集まって、しかしお互いに干渉する事無く、各自スマホをじっと見ていたりする事だ。スマホのバックライトが顔を青白く照らす。なぜか、みんな無表情だ。笑顔は無い。(まあ、笑顔も怖いが)しかも、やはりぞもぞと動く。そんな集団を目撃すると、ぞわっと背筋に寒い物が走る。もしポケモンGOの存在を知らなければ、警察に一報したくなる光景だ。いや、本当はポケモンGOでは無いのかも知れない。もっと別の得体の知れない何かに熱中しているのかも知れないし、何かの犯罪に関係しているのかも知れない。どこぞの怪しげな国のエージェントなのかも知れない。真実を知るには彼らのスマホをのぞいてみるしか無いのかも。そこに一体何が映っているのか、私には怖くてできないが。

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