SSブログ

ようやく「剛性」を知る? [日常]

BXT-SL1.0を仮組みしたが、クランクにもともと付いていたフラットペダルのままだったので、この際少し贅沢をと、Defy用にPD-R8000をオーダーし、これまでDefyで使っていた一番安いSPD-SLのPD-R540をBXTに付けることにした。Defyからペダルを外し、BXTに装着しようといじっていて気がついた。
ペダル装着にはペダルレンチを使うが、緩まないようにそこそこ強い力で締める。その際ママチャリなどは、フレームやクランクがたわみ、グニャグニャとなって、ああ、剛性が足りないんだなあと納得する。しかし、DefyやEscapeのペダル交換では、もう少ししっかりした感触で、剛性の高さを実感する。で、今回のBXTだが、恐ろしいまでの柔らかさを見せた。もちろん、クランクはシマノ製なので、クランクがたわむ訳では無い。チェーンリングを回転させる向きのたわみはほとんど無い。たわむのは、その垂直方向である。その方向にいとも簡単にたわむのだ。ペダル装着後、クランクを下死点に持って行き、そこに足をかけて下向きに押すと、フレームが大きくしなってチェーンリングが傾いた。BXTを試乗した際にダンシングをするとチェーンから異音が出ていたが、これが原因だとわかった。つまり、ダンシング等でクランクに大きな力が加わると、たやすくチェーンリングが傾き、チェーンラインが崩れ、チェーンにねじれが発生するため、どこかにチェーンが当たっていたのだろう。そこで、ふと思いつき、BXTのフレームのトップチューブを指で挟んでぎゅっと押してみると、なんと変形した。もちろん塑性変形ではないので元に戻るが、トップチューブの断面形状が変形するほど、柔い構造だと言うことがわかる。以前、雑誌の記事でピナレロのGANのトップチューブも指で凹むと書いてあった。(そのままブログに書いたら、所有者からそんなことは無いと反論されたが)なるほど、トップチューブというのは、この程度の剛性でも大丈夫なのかも知れないと、自分を納得させた。そういえば、Escape RX2のトップチューブも極薄で、指ではじくと、ちょうどビールのアルミ缶のような音がする。あれくらいの薄さなのだろう。トップチューブとは、そういう物だ。うむうむ。で、ついでにダウンチューブも指で押してみた。こちらはかなりの極太チューブだが、なんとこれも指でたやすく変形した。どうもこれもトップチューブと同程度の厚みでできているらしい。外から断面が良く見える、ヘッドチューブやシートチューブはかなり厚かったので、なんとなく安心していたが、断面の見えないトップチューブやダウンチューブは極薄の様だ。ネットで検索すると、TREKのフレームにも、指で変形するものがあると言うことなので、この「指で変形するダウンチューブ」というもの自体は驚くほどでは無いのかも知れない。しかし、この指で変形するダウンチューブと、ペダルを押すとぐわぐわたわむという現象が二つ組み合わさると、ただ形だけ整えて軽量化した、剛性など考えていないフレームという不安が湧き上がってくる。試しに、Defyで同じ事をやると、全然感触が違うしたわみ量も少ない。15年前に買って、雨ざらしでさすがにもう寿命じゃ無いの?というCS3200(重量級アルミ)でやると、BXTにやや似た感触だが、まだ若干CS3200の方が堅いかという感じ。というわけで、このBXT、剛性はかなりやばいレベルだと思われる。壊れないレベルで、ただ単に柔らかいというなら、まだ良いかという感じだが、何かの際に壊れるかもというレベルだと、安心して乗ってられない。かなり気分が落ちてきてしまった。
ちなみに、このペダル交換の前に、BXTとDefyをダンシングで乗り比べたのだが、これまで今ひとつと思っていたDefyが、素晴らしいと思えるほど、BXTがダメダメだった。ブレーキもR8000のキャリパーはすごく効くと思ったのだが、さすがに油圧のディスクは圧倒的に効きが良く、リムブレーキでは太刀打ちできないようだ。こうなると、やはりメインはDefyで、BXTは通勤スペシャルかと思うのだが、指で変形するカーボンフレームは、倒れたら割れそうなので、逆に通勤など、自転車置き場におく使用環境では使いにくい。
さてこのBXT、ホイール固定の部分がどうもカーボン製のような感じだ。通常のカーボンフレームは、要所要所がアルミになっていて、ホイール装着部分もアルミ製だと思うのだが、こいつは違う感じだ。カーボンで固めたところを、後で削り出し、微調整して、瞬間接着剤で表面処理した形跡がある。ホイール脱着で、接着剤の膜が剥がれ落ちた。とりあえずホイールは付くが、筑波山のスカイラインを時速60kmでダウンヒルする気にはなれない。週末ライド(ヒルクライム)にはやや不安で、通勤にも使えないということになると、あれ?使い道が無い。

カーボンフレームというと、カーボンファイバーのプレプレグを型にはめて高温にし、余分なエポキシを流し出して固める事で、最小量のエポキシでカーボンファイバー率を上げて、軽量で強度の高いフレームにするのだが、BXTのカーボンフレームが本当にこれを極めているのか、ちょっと不安である。同じ重さのフレームでも、エポキシの比率が高ければ、強度はがた落ちになる。Defyのダウンチューブを指ではじくと、カンカンと高い音がするが、BXTはパンパンと低い音がする。単に薄いだけなのか?

いずれにしても、これまで剛性を考える際、力を加える方向の変形だけを考えていたのだが、実際には力を加える方向と垂直方向の剛性も重要である事がわかった。BB周りの剛性では、ペダリングの際、チェーンリングを回転させる方向に力を加える訳だが、実際にはクランク間には距離があり、BBをねじる方向にも力が加わる。この変形が大きいと、ペダルの角度も変わってくるので、体にかかる負荷も変化する。しばらく前に、BB周りの剛性が高くても、それによる反発力と足の疲れは関係ないと論じたが、実際には関係がありそうな気がしてきた。

それにしてもこのBXT、スピードは出そうに無い。

Defy advanced 2 (2015) (油圧ブレーキ化)とBXT-SL1.0 (基本105 以下仕様)の重さをはかってみた。なんと、どちらも8.4kgだった。そのまま走り出せる、ペダル、サドル込みの重量だ。Defyは、カタログではペダル抜きで8.9kgだったので、なんやらかんやらの改造で、700g以上軽量化されたようだ。おそらくホイールの効果が一番大きい。一方、BXTは、重いディスクブレーキが無いので、もっと軽いかと思ったが、ホイールがおそらくDefyよりも200g程度重く、クランクが75g、ペダルが60-70gくらい重いので、これだけで350g程度のハンデをしょっている。お金をかけて軽量化すれば、8kgは切れそうだ。サドル、ハンドルバーは同じものがついているので、これらを安価な中華パーツで軽量化すると、少し軽くなりそうだ(発注済み)。
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感